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「消防うどん」は絆の素
2014-10-02

川崎の消防署のランチの定番が「うどん」だというのを、ご存知ですか?

NHKで放送されている「サラメシ」という番組で、この「消防うどん」が取り上げられていたのをご覧になった方もいらっしゃると思います。

私のこの放送を見て、以前から気になっていたのですが、先日、川崎消防署の実地視察の機会に、「消防うどん」を署員の皆さんと一緒にいただくことができました。

「サラメシ」とは、「サラリーマンの昼食」のこと。番組ホームページには、次のような番組の趣旨が書かれています。

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サラリーマンの昼食(サラメシ)から、多彩な職業の人々の様々なランチまでつぶさにウオッチングして、ランチに隠された仕事へのこだわりや感動のエピソードなど、働く人の今を楽しく鋭く見つめます。
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まさに、川崎市消防局のこの「消防うどん」には、その背景に隠されたドラマがありました。

その前に、これが「本当に、うまい!!」のです。野菜や豚肉などの具だくさんのお汁に、野菜のかき揚げと自家製の秘伝のラー油を入れ、大盛りのうどんを付けていただきました。もちろん、すべてが署員の皆さんの手作りです。

横須賀などでは海軍カレーがまちおこしのグルメとして、市内のレストランでもメニューになっていますが、川崎でもこの「消防うどん」をお店で出してもいいと思ったくらいです。あるいは「消防屋」とか「火消し屋」というブランドで専門店を出してもいいかもしれませんね。

現在、川崎市には8つの消防署と28の消防出張所があり、約1400名の消防職員が日夜、146万市民の安全を守ってくれています。消防署では、消火訓練の「操法訓練」も実地で拝見し、さらには本物のホースで放水の実体験もさせてもらいました。このホースが、ずっしりと重いのです。さらに放水するとその水圧のすごいこと、身体全体で支えるのがコツだといいます。24時間勤務する消防署は、署員の生活の場でもあるので、署内には仮眠室やお風呂、洗濯場まで完備しているのです。

今回は、署員が手作りで食事を作る厨房にも入らせていただきました。若い隊員の皆さんがてきぱきと食事を作り、配膳する姿、そして、同じテーブルでモリモリとうどんをかき込む姿、こうした皆さんが私たちの街を守ってくれているのだと、改めて頼もしく感じました。

「うどんは乾メンなので保存が利きます。食事の途中で出動しても、戻ってからお湯を通せば、熱々が食べられます。その上、やはり体力を維持するために栄養たっぷりなのです。」

「同じ釜のメシを食べるというのは、隊員同士の連帯感、一体感を生み出す上で大切なことなのです。」との説明を聞き、命を張って市民の安全と生命を守る職場の、厳しさの一端を実感しました。

この時、3名の救急隊員の皆さんは、昼食時にも出動中で、一緒にうどんを食べることができませんでした。その隊員のために、ちゃんとうどんとお汁がラップされて、取り置いてありました。おつゆのラップには「Q² お疲れさまです」のメッセージが書かれていました。Q²は「救急」の意味だそうです。仲間への温かい思いやりなんですね。そこで、うどんのラップに、私も激励のメッセージをサインさせてもらいました。

今回、「同じ釜のうどん」をいただき、現場で身体を張って頑張っている消防職員の皆さんとの一体感を感じることができたように思います。「消防うどん」が隊員の皆さんの絆を深め、一糸乱れぬ行動に結びついていること知ることができました。

市民の皆さんにも、うどんを食べたときに「消防うどん」のこと、消防署員のことを思い起こしていただければと思います。